睡眠時無呼吸症候群のリスクと治療の重要性―放置するとどうなる?
これまでのコラムでは、睡眠時無呼吸症候群の特徴や検査・治療についてご紹介してきました。
今回は、睡眠時無呼吸症候群を放置した場合の影響と、治療によって期待できる変化について、医学的な視点も踏まえて解説します。
睡眠中に起きていること
睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に気道(空気の通り道)が狭くなり、呼吸が何度も止まる状態が繰り返されます。
この時、体の中では、「低酸素状態(酸素が不足した状態)」と「浅い眠り」が断続的に起こっています。
その結果、体は十分に休息できず、知らないうちに負担がかかり続けます。
放置することで起こりうる影響
このような状態が続くと、全身にさまざまな影響が出ることがわかっています。
・起床時の頭痛やだるさ
・日中の強い眠気や集中力の低下
これらは、仕事のパフォーマンスに影響するだけではなく、運転中の事故リスクの上昇にも関わるとされています。
さらに、
・高血圧の悪化
・心臓や血管の病気のリスク上昇
・脳卒中などのリスク増加
中等度以上の睡眠時無呼吸症候群で、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血などのリスクが約2~3倍に上昇すると言われています。
治療によって期待できる変化
睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療であるCPAP(持続陽圧呼吸)療法は、寝ている間に空気を送り込み、空気の閉塞を防ぐ治療です。
これにより呼吸が安定し、睡眠の質が改善されます。
実際に治療を受けた方の多くが、
・朝の目覚めが良くなった。
・日中の眠気が軽くなった。
・起床時の頭痛やだるさが改善した
・集中力が続くようになった。
といった変化を実感されています。
その結果として、仕事のパフォーマンス向上や、運転中の事故リスクの軽減、心筋梗塞や脳梗塞などのリスク低減、などにも寄与すると考えられています。
症状が軽くても注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、「症状の強さ」と「病気の重さ」が一致しないことがあります。
「いびきはあるけれど困っていない」という場合でも、検査をしてみると治療が必要なレベルだった、というケースも少なくありません。
そのため、気になる症状がある場合は、一度客観的に評価することが大切です。
早めの対応が将来の健康につながります
睡眠時無呼吸症候群は、適切な検査と治療によって改善が期待できる疾患です。
一方で、放置することで将来的な健康リスクが高まる可能性があります。
「気になっているけれど、そのままにしている」
という方は、一度ご自身の状態を確認することをお勧めします。
TAKANAWA GATEWAY Clinics 睡眠・呼吸器では、専門医による診療体制のもと、検査から治療まで一貫して対応しております。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
関谷 宗之 院長(Muneyuki Sekiya)
15年間、大学病院にて喘息やアレルギー、睡眠時無呼吸症候群などの専門医療に携わってきました。「これくらいで病院に行っていいのかな」と迷うような、長引く咳やいびき、息切れも、実は体からの大切なサインです。ひとりで抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの毎日の心地よさを取り戻すパートナーとして、真摯に寄り添います。
略歴
- 2010年 東邦大学医学部医学科 卒業
- 2010年 東邦大学医療センター大森病院 初期臨床研修医
- 2012年 東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科 入局
- 2017年 社会福祉法人三井記念病院 呼吸器内科 医員
- 2019年 東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科 助教
- 2026年 TAKANAWA GATEWAY Clinics 睡眠・呼吸器 院長
資格・所属学会
【資格・専門医】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医 / 日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医 / 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医 / 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 / 日本喘息学会 喘息専門医 / 日本禁煙学会 禁煙認定指導医 / 難病指定医 / 身体障害者福祉法指定医(呼吸機能障害)
【修了認定】
医師の臨床研修に係る指導医講習会修了医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了医
【所属学会】
日本睡眠学会 / 日本感染症学会