コラム
2026.04.21

睡眠時無呼吸症候群のリスクと治療の重要性―放置するとどうなる?

これまでのコラムでは、睡眠時無呼吸症候群の特徴や検査・治療についてご紹介してきました。

今回は、睡眠時無呼吸症候群を放置した場合の影響と、治療によって期待できる変化について、医学的な視点も踏まえて解説します。

 

睡眠中に起きていること

睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に気道(空気の通り道)が狭くなり、呼吸が何度も止まる状態が繰り返されます。

この時、体の中では、「低酸素状態(酸素が不足した状態)」と「浅い眠り」が断続的に起こっています。

その結果、体は十分に休息できず、知らないうちに負担がかかり続けます。

 

放置することで起こりうる影響

このような状態が続くと、全身にさまざまな影響が出ることがわかっています。

・起床時の頭痛やだるさ

・日中の強い眠気や集中力の低下

これらは、仕事のパフォーマンスに影響するだけではなく、運転中の事故リスクの上昇にも関わるとされています。

 

さらに、

・高血圧の悪化

・心臓や血管の病気のリスク上昇

・脳卒中などのリスク増加

中等度以上の睡眠時無呼吸症候群で、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血などのリスクが約2~3倍に上昇すると言われています。

 

治療によって期待できる変化

睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療であるCPAP(持続陽圧呼吸)療法は、寝ている間に空気を送り込み、空気の閉塞を防ぐ治療です。

これにより呼吸が安定し、睡眠の質が改善されます。

実際に治療を受けた方の多くが、

・朝の目覚めが良くなった。

・日中の眠気が軽くなった。

・起床時の頭痛やだるさが改善した

・集中力が続くようになった。

といった変化を実感されています。

 

その結果として、仕事のパフォーマンス向上や、運転中の事故リスクの軽減、心筋梗塞や脳梗塞などのリスク低減、などにも寄与すると考えられています。

 

症状が軽くても注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群は、「症状の強さ」と「病気の重さ」が一致しないことがあります。

「いびきはあるけれど困っていない」という場合でも、検査をしてみると治療が必要なレベルだった、というケースも少なくありません。

そのため、気になる症状がある場合は、一度客観的に評価することが大切です。

 

早めの対応が将来の健康につながります

睡眠時無呼吸症候群は、適切な検査と治療によって改善が期待できる疾患です。

一方で、放置することで将来的な健康リスクが高まる可能性があります。

気になっているけれど、そのままにしている

という方は、一度ご自身の状態を確認することをお勧めします。

 

TAKANAWA GATEWAY Clinics 睡眠・呼吸器では、専門医による診療体制のもと、検査から治療まで一貫して対応しております。

ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

関谷 宗之 院長
この記事の執筆・監修者

関谷 宗之 院長(Muneyuki Sekiya)

15年間、大学病院にて喘息やアレルギー、睡眠時無呼吸症候群などの専門医療に携わってきました。「これくらいで病院に行っていいのかな」と迷うような、長引く咳やいびき、息切れも、実は体からの大切なサインです。ひとりで抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの毎日の心地よさを取り戻すパートナーとして、真摯に寄り添います。

略歴

  • 2010年 東邦大学医学部医学科 卒業
  • 2010年 東邦大学医療センター大森病院 初期臨床研修医
  • 2012年 東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科 入局
  • 2017年 社会福祉法人三井記念病院 呼吸器内科 医員
  • 2019年 東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科 助教
  • 2026年 TAKANAWA GATEWAY Clinics 睡眠・呼吸器 院長

資格・所属学会

【資格・専門医】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医 / 日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医 / 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医 / 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 / 日本喘息学会 喘息専門医 / 日本禁煙学会 禁煙認定指導医 / 難病指定医 / 身体障害者福祉法指定医(呼吸機能障害)

【修了認定】
医師の臨床研修に係る指導医講習会修了医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了医

【所属学会】
日本睡眠学会 / 日本感染症学会